(~80、完結済)
コメントでおすすめしてもらった作品です。
https://ncode.syosetu.com/n0202hj/
主人公フィニィは奴隷だったが、家が火事になった際に逃げ出す。朝の来ない「夜の森」にたどりいついた主人公は、魔女に拾われ、魔女の魔法のため色々な材料を集めて過ごすことになる。そうしているうちに、「夜の森」をうろついている夜の王に出会ったらまずいことや、外の王国が「夜の森」を忌まわしく思っていることを知る。
ファンタジー小説。主人公が幼い、童話・寓話風の作品。
かなりしっかりしたファンタジー小説だが、この作品の世界観、特に「夜の森」「夜の国」の描写をどれだけ楽しめるかが大事だろう。描写は丁寧だが、幼い主人公が視点となっていて地の文での説明もあまりないため、どういう世界かはっきりとは分からず、ぼんやりと想像するしかないと思う。
この辺、挿し絵があったらまた違うのかなぁとも思うのだけれど、絵があると読者の想像が限定されてしまう面もあるので難しい。
構成・展開はかなりしっかり作られている。基本的には、主人公が魔法の材料のおつかいに行くシーンが多く、それ自体は退屈にも感じるのだが、それが新しい登場人物の紹介になり、また後の展開の伏線になっているのは見事。
特に、二章の結末は面白い。伏線をしっかり読み解いていれば自然と気付く内容なのかもしれないが、あまり考えぬままファンタジー世界を楽しんでいると、こういう世界観だったのか、とちょっと驚くと思う。
また、三章以降はやや蛇足感もあるのだが、完結の仕方も良かった。
私は、この世界観にすごくハマれた、という感じではなく、むしろ、もう少しこの世界を説明する部分が欲しいな、などと思ってしまった方で、良い読者とはいえないと思う。そういうこともあって「おすすめ」にするかは迷ったけれど、二章・四章の終わらせ方が良かったため「おすすめ」にします。
1. 無題
無事におすすめになってよかったです