(~56、完結済)
以前コメントでおすすめしてもらった作品。「
手札が多めのビクトリア」の守雨さんの作品。書籍化に伴い「再婚なんてお断り」から改題したそうです。
https://ncode.syosetu.com/n6719gz/
主人公は政略結婚していたが、夫が侍女を連れて出て行ってしまう。主人公の家は元々資産家だったが、夫には才能がなかったためそれを使い果たし、商才のある主人公がこっそり支えていたのだった。離婚はしたが前向きに生きて行こうとしていた頃、見た目の美しい行き倒れの男が現れた。主人公は二度と結婚するつもりはなかったが、様々な面倒を避けるためその彼と婚約する。その後、彼に絵の才能があることが分かり、二人は惹かれ合っていく。
いわゆるハーレクインロマンスのような作品。
恋愛なんてこりごりと思ったが主人公が恋に落ちていくさまを描いている。行き倒れの男に才能があり、実は過去こんな経験をしていて……などと語られるのは、このタイプの小説では王道の展開ですね。
「手札が多めのビクトリア」では、ちょっと風変わりなキャラクターを登場させたりしたのが面白かったけれど、この作品ではあまり個性的なキャラクターは出てこなかった。主人公たち二人以外の人間ーを使って物語を展開させていく仕方は上手いけれど、それも意外性のあるものではなかった。
また、「商才がある」という題名だが商売の部分はあまり描いていない印象。いかにも商才がありそうなキャラクターとして描かれており、説得力はあるけれど、具体的な内容は少ない。
というわけで個人的には、この作品と「手札が多めのビクトリア」を比較するなら、「手札が多めのビクトリア」の方がはっきり面白いと思いました。「手札が多めのビクトリア」は設定・展開に一捻りあって良かったけれど、この作品はあまり捻りがない印象でした。