(~46、最新話)
現在四半期ランキング二位の作品。十万文字に届いてませんが、やや連載間隔が開いたのでレビューしてしまいます。
https://ncode.syosetu.com/n0423gu/
「釣書」は聞き慣れない単語だと思いますが、お見合いのときに渡す身上書のことのようです。この作品の題名では、そのときの写真のことを指しています。
派手で性格の悪い姉のところに見合い話が来たが、見合い写真の相手が太っていたため姉が嫌がり、気弱な妹(主人公)へその見合い話が降りてきた。だが、実際嫁いでみたら、姉の代わりのはずの主人公が歓迎され、相手も写真とは違う好青年だった。そして、なぜ自分がなぜ姉にいじめられていたか、家族の秘密が分かってきて、復讐する。
(ここまで第一章で、第二章はまた別の話です)
お見合いや復讐を扱った設定としてはなかなか面白いのでは。新鮮さはないけれど、テンプレとして悪くなさそう。
ただ、この設定だと、特に誤解などもなく相思相愛だったということになるため、続きを書くのが難しくなると思う。いわゆる「追放~ざまぁ」のテンプレだと、復讐が終わった後も(大体は)冒険者としての生活が続くわけで、そこを書くのは難しくない(とはいえ、面白くなくなるものが多いけれど)。それに対して、恋愛小説では二人が結ばれるまでを描くものが多く、結ばれてからを描くのは難しい。そこまでの恋愛模様とは別の事件を起こさないと話を進めにくいためだろう。
そういう意味では、この小説ももっと復讐シーンまでしっかり描くべきだったのでは、と思う。二人の恋愛模様などをもっとしっかり書いて欲しかった。一話一話が短く、復讐までの話を掘り下げぬまま短い文字数で第一章を終わらせたのは失敗だったのでは。
そこで話は一段落しているので、第二章になって面白くなくなり、連載間隔が開いているのは仕方ない気がする。
なお、普段あまり気にならないのだけど、この話の貴族階級などはどうなっているんだろう、というのは気になった。第二章になって王子が登場し、貴族社会を描こうとしているのに、その詳細が分かりにくい。ヨーロッパ風というのともちょっと違う感じがしたので、説明が必要では。