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現在四半期ランキング四位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n4712gk/
魔導師を輩出する貴族の生まれなのに「錬金術師」の職業を与えられた主人公が、家族の助けを借りながら勉強し、優秀な錬金術師へと成長していく話。なお、主人公には(その世界内での)転生要素がありますが、それは、主人公が五歳にしては賢すぎるという批判があって付け加えたもののようです。なので、あまり転生要素が生きる描写はなさそう。
親や周囲に愛されている(小説開始時点で)五歳の少女を主人公にしたのがこの小説の最も上手い点でしょう。
その少女が頑張り屋で、立派な錬金術師になるため日々勉強していれば、読者も一緒に応援したくなる。
一貫して、そんな可愛くて応援したくなるような少女を描き続けている。
ただ、錬金術師としての成長の部分にはあまり特色はない。普通のチート物と言って良いと思う。
主人公は「鑑定」スキルを身に着け、さらに、それに加えてレアな能力を得ていく。錬金術で使う材料もあまり苦労せず手に入れることが多い。確かに努力はしているんだけれど、周囲の環境が非常に恵まれていて、(私が読んだ範囲では)きつい目にあったりすることはない。
ちょっと面白いのは、鑑定スキルにより、錬金術の経過を見せるところだと思う。人間のステータスを描写する作品は多いが、物質が熱などにより変化していく様子をステータスで表現しているのは新鮮に感じた。
主人公が錬金術師の作品も、主人公が鑑定スキルを持っている作品も数多くあるけれど、こういう風に組み合わせるのが良いのですね。
ストーリー自体はあまり面白いとは思わないけれど、健気で可愛い少女の成長を見守るという点はよくできているので、そういう作品が好きな人にはおすすめです。