(~54、最新話。第一章まで。)
現在四半期ランキング一位の作品。正式な題名は「ブラック魔道具師ギルドを追放された私、王宮魔術師として拾われる ~実は王国最高レベルの魔法使いだったと気づいてももう遅い。ホワイトな宮廷で評価してくれる人たちと幸せな新生活を始めます~」です。
https://ncode.syosetu.com/n8120gp/
主人公は故郷の魔道具師ギルドに就職したが、役立たずと言われ解雇される。しかし実は彼女は非常に優秀で、彼女のおかげで工房はまわっていたのだった。そこで、彼女の実力を知っており、王宮魔術師として出世していた学院時代の友人が彼女をスカウト。王宮魔術師として働き始めるとすぐに活躍するが、主人公自身は自分の規格外の能力に気付かない。
「追放~遅い」のテンプレを導入にしているが、「自分の才能に気付かない天然主人公の勘違いもの」という要素が強いと思う。主人公をスカウトした友人との恋愛要素もあるが、そこでも天然ぶりを発揮、愛すべき主人公が描かれている。
ただ、主人公を天然にしたため、以前の職場に対する恨みなどはあまりなく、復讐(ざまぁ)要素は薄い。そのテンプレを期待して読むと肩透かしを食らうかも。
斬新なところはないのだけれど、追放される主人公を天然系にしたことや、女性主人公にしたところは上手いと思う。もともと能力のある主人公だから心配する必要ないのだけれど、新しい職場で頑張ろうとする様子が描かれると、応援したいという気持ちになる。
ただ、第一章前半まではそれで面白かったのだけど、後半はちょっとだれてきた気も。主人公の立場がやや安定してきたため、ただの勘違いもののようになってしまった。また、別視点描写が増えたのもテンポを阻害している気がする。主人公の凄さを伝えるためのものだと思うが、それはもう十分伝わっているので。
悪くない設定・登場人物だったと思うが、事件にもう一工夫欲しかった。