(~67、完結済)
先月末に四半期ランキング五位になっていた作品。
https://ncode.syosetu.com/n9115hi/
主人公は、父親が戦死したため、最北の辺境の領主となる。ある日、本を開いたら別の世界で生きた前世の記憶がよみがえった。さらに、ラビリンスで得られる根源力を効率よく得る力が手に入った。前世の知識に加え、ラビリンスを効率よく攻略することにより、借金を返済し、自らの領地を富ませていく。
転生と言っていいか微妙なところはあるけれど、異世界転生チート物の枠組みの作品。
知識チートにより内政を、戦闘系のチートによりラビリンス(ダンジョン)を攻略していく。異世界転生チートものとしては定番の設定だけど、やや固めの文章で内政について語られるのが特徴か。
その内政部分、歴史小説のような語り口のため、しっかりと設定が作ってあるよな読後感が得られる。……が、実際はどうだったんだろう? あまり奥深い解決はなされず、チートものの典型的な手法で問題は解消されていく。
ラビリンス攻略部分については、まあ普通のチート物といった感じか。悪くはないが、軽い内容なため、内政部分とはややギャップがあった。
さて、この小説は、後半に戦争が始まったりと、やや意外な展開を見せた。意欲的ともいえるだろうが、その辺りになると設定の粗(に加えて、文章でも違和感のある表現が増えた)がかなり目立つようになってしまった。戦争ともなると、政治的なことを結構ちゃんと書かなくてはいけないが、それを描けてはいないと思う。
どこかちぐはぐな印象の作品。