(~27、最新話。以後も読む予定)
現在四半期ランキング五位の作品。十万文字に達していませんが、半月ほど連載が止まっているのでレビューします。
https://ncode.syosetu.com/n9176io/
主人公は、婚約者である王子に誕生日をすっぽかされたショックで前世を思い出し、さらに、自分が前世でハマっていた乙女ゲーの世界の悪役令嬢に転生していることを思い出す。そして、自分がいくら婚約者を愛していても結ばれないことを悟り、婚約者を諦め、ゲームのヒロインに意地悪しないことを誓う。
ゲームへの転生、悪役令嬢もの。懐かしい設定であり、ちょっとおっちょこちょいな主人公たちが起こすコメディは「
謙虚、堅実をモットーに生きております!」を思い出した。
ただ、主人公が記憶を思い出した後も婚約者への愛情は残っている(それも非常に強く)、というのは私は初めて見た設定だった。
単に婚約者を避けるというのではなく、強く愛情が残っている相手を避けなくてはいけない、という主人公の心理の機微が物語を面白くしている。また、婚約者の方も、今まで直接的に愛情をぶつけられていたのがなくなったため主人公を気になりだす。この展開も上手い。
婚約者が王子としては頼りなく見える……といった危い部分はあるものの、基本的には面白く読んだ。悪役令嬢ものとしてまあまあ出来の良い作品だと思うものの、中途半端なところで連載間隔が落ちているのは不安。