(~136、「王子様の学園生活(一年生)」まで読了)
六~八月頃に四半期ランキングTOP5に入っていた作品。六月末~七月はじめは四半期ランキング一位でした。
https://ncode.syosetu.com/n1464ja/
主人公は第一王子で王位継承権は第一位だが、母親は国王の側妃。そのため、国王に放置されて育ってきた。しかし、転生前の記憶を思い出したためこのままではまずいと判断し、王位継承権を放棄して父親の家へ行こうと決意する。だが、宰相に反対され、成人までは王城で暮らすことになる。すると、今まで放置していた国王に構われだし、異母弟に慕われたり、この作品の原作であるラノベを知っている他の転生者が現れたりする。
異世界転生もの。
不遇な王子への転生というストーリーはままあるが、この作品は結構設定にこっている。単純に主人公が無視されていた、というわけではなく、どうしてそうなったかなどが詳細に語られるのが面白い。そして、周囲の状況を分析する主人公の、やや饒舌で皮肉めいた語り口が楽しい。
その後、主人公がそんな状況に陥った原因や、転生した因縁(?)を探る方向へ話が展開していく。女神などメタ的な存在が介入してくるのは個人的には好みなのだが、この作品では、そのせいで物語の方向性が定まらなくなってしまった気がする。主人公は既に結構安定した立場を確立しているが、メタ的な原因を探る手段があまりないため、物語の着地点が分かりにくくなってしまったと思う。
自分が読んだのは、「王子様の学園生活(一年生)」までだが、この章では話があまり進展しておらず、学園ものとしてもイマイチな気がした。
序盤は面白かったし、主人公は魅力的なのだが、主人公以外の人間の魅力が今一つかなぁ、とも感じた。途中から物語が迷走しているように思えたけれど、色々と魅力的な箇所はあるため、今後また面白くなる可能性は十分ありそう。