(~103、最新話。今後も読む予定)
現在四半期ランキング一位の作品。
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主人公は結婚直前に前世の記憶を取り戻し、ここが乙女ゲームの世界で自分が悪役だと気付く。夫に愛する気も子供を作る気もないと言われたため、辺境の領地の所有権を夫に要求し、そこに領主として住むことにした。前世の知識を活用して領地を開拓していると、領民から慕われるようになる。そして、なぜかゲームの攻略対象だった男たちがそこに集まってくる。
ゲームへの転生&悪役令嬢ものであり、契約結婚・内政もの。全く同じ組み合わせがあったかは分からないけど、「なろう」での定番の設定といって良いと思う。
前世の知識を生かして辺境を開拓していくという部分、また、主人公が食事にこだわり、この世界で知られていない色々な料理を作っていくのも定番といって良い。ただ、その手法が細かく描写されているのが特徴。農業や料理など諸々についてよく調べて書いているのが伝わってくる。
と、まあ、開拓部分に関しては、丁寧に書かれてはいるけれど何度も見たことあるようなストーリーで、面白いとは思わなかった。
それが、開拓が一段落してから少しずつ面白くなった。
重要な登場人物が増え、夫との関係も少し深くなり、この世界の世界観が見えだしたことで小説の奥行が生まれたと思う。人物描写が一人一人丁寧になされているのも良い。
主人公たちがこの世界でどう生きて行くのかというだけでも興味をそそられるし、主人公が危惧しているように、ゲーム本来の主人公がどう関わってくるかも興味深い。
丁寧に書かれていることもあって小説の進むペースは遅く、ゲーム本来の主人公が現れるまでには相当かかりそうではあるが、今の調子でそこまで書き切れたら面白いものになりそう。
現状、盛り上がりが少ないと思うので「おすすめ」にはしないけれど、今の調子でそのあたりのことを描けたなら「おすすめ」にしたいと思っています。